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    『創造的生命の形而上学――近代科学技術文明の超克――

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                                                                 ⇒目次はこちら

内容紹介

 近代科学技術文明は、自然生態環境・人間・社会文化環境の間に深刻な対立・相剋を生み出し、生物の一つの種である人間を死滅の危機に直面させる、という事態を惹き起こした。この危機を克服し、近代科学技術文明を根本的に転換させた新しい文明を創出することが、全人類的課題となっている。この文明の根本的転換は、全人類・一人ひとりの個人の全人格的変革と一体的なものとしてしか実現することはできない。

 そのためには、近代科学技術文明を支え、諸個人の生を制御してきた――啓蒙主義的・合理主義的な知を根本的に転換させた、新しい知の形成が必要となる。『創造的生命の形而上学』は、この要請に応えるべく執筆されたものである。

 近・現代の諸個人の日常的な生活意識となった啓蒙主義的・合理主義的な知の基礎を形成したのは、科学革命によって確立された近代自然科学であった。自然科学は、人間の感覚によって捉えることのできる存在、具体的には物質的存在だけを認識対象とする、という方法的態度を採っている。したがって、自然科学は、自然現象を、その根底あるいは背後の超感覚的実在を原理として説明づけようとする――形而上学を排斥した。

 科学的認識を一般化した啓蒙主義的・合理主義的な知によって自己の生を制御する諸個人は、超越的絶対神などといった超感覚的実在に従属する存在ではなく、科学的知性と技術的意志にもとづく行為によって、自然生態環境を加工し、社会文化環境を形成する、自由な存在である。 諸個人は、そのような存在として、ますます多様化する欲望を充足させ、生活の利便性を飛躍的に高めていった。それよって、社会の無限の進歩が可能であるとされた。だが、その結果は、地球生態環境の破壊と人類滅亡の危機であった。なぜ、このようの事態が生じたのか。

 その根本的原因は、啓蒙主義的・合理主義的な知の基礎を形成た科学的認識が、感覚界の根底あるいは背後の実在界を対象とする形而上学を排斥したことにある。この実在界には、無限の創造的エネルギー・生命が貫流している。だが、啓蒙主義的・合理化主義的な知は、実在界を認識対象とすることができない。したがって、そのような知を生活意識とする諸個人は、そこを貫流する無限の創造的エネルギー・生命を制御することができない。そのため、無限の創造的エネルギー・生命は、実在界から感覚界へと無限衝動となって噴出してくる。

 その結果、人間の知性と意志は無限衝動によって駆りたてられ、その行為はひたすら物量的生産力の無限増大を追求するものとなる。科学的知性と技術的意志によって自然生態環境・人間・社会文化環境の間の物質・エネルギー循環を制御する能力を獲得したかにみえた人間は、実は、実在界から突き上げてくる無限衝動の力を押しとどめる自由をもってはいなかったのである。かくして、感覚界における物質・エネルギー循環が撹乱され、人間の自由な行為が、自己自身を死滅の危機に直面させる、という逆説的な事態を惹き起こしてしまったのである。

 したがって、近代科学技術文明が生み出した危機を、感覚界の枠内だけで克服することはできない。危機を根底的に克服するためには、科学的認識・啓蒙主義的・合理主義的な知を根本的に転換でさせた新しい知、即ち、実在界を認識対象とする形而上学を形成しなければならない。それによって、人間は、はじめて実在界を貫流する無限の創造的エネルギー・生命を制御する自由を獲得する。この根源的自由に根拠づけられることによって、感覚界に於ける人間の自由は、自然生態環境・人間・社会文化環境の間の物質、エネルギー循環を撹乱することなく、三者の調和を実現するものとなるのである。それが、文明の根本的転換にほかならない。

 そのことを可能とする形而上学を形成するためには、個人は、感覚界から超過感覚的な実在界へと翻転し、自己を深めてゆくことによって、実在界の最深層に於いて無限絶対の実在と合一し、それを基底として、実在界の最深層から最表層へと発現してゆくとともに再び最深層へと還帰するという無限の創造的エネルギー・生命の循環運動と、自己の生の上昇・下降運動を一体化させる――という全実在界大の実在・実存体験を主体的に遂行することが必要となる。この実在・実存体験のロゴス化として、実在界の真実相を解明した形而上学が形成される。実在界の真実相とは、無限の創造的エネルギー・生命をそれぞれの内に体現した全実在界大の存在としてのすべての個物・個人が相互に調和する、というものである。

 このように、他のすべての個物・個人との一体的生を実現した個人こそが<本来的自己>なのであり、感覚界だけで科学的知性と技術的意志にもとづく生を完結させようとする個人は、<非本来的自己>と言わざるを得ない。諸個人が、科学的知性と技術的意志にもとづく生によって人類の生態学的生存の危機を生み出してしまった現在、全人類・一人ひとりの個人が非本来的自己から本来的自己への全人格的変革を遂げるべく決断を迫られている。『創造的生命の形而上学』の最大の目的は、そのことを明らかにすることにある。

 全人格的変革を成し遂げたそれぞれの個人が、感覚界に帰ることによって、科学的知性と技術的意志にもとづくすべての生活行為は、本来的自己を実現するための外的条件となる。そのことを可能とするためには、感覚界に於ける自然生態環境・人間・社会文化環境を認識対象とする自然科学・人間科学・社会科学の総体を、実在界を認識対象とする形而上学に統合した、全体的な知を形成することが必要となる。 一人ひとりの個人が、この全体的な知をわがものとして獲得することよって、科学的知性と技術的意志が無限衝動に駆りたてられることで全生活領域に生ずる諸問題の総体を根源的・統一的に解決することが可能となる。

 形而上学を排斥した近代科学は、近代科学技術文明の危機を生み出した。諸科学が再び形而上学との内的連関性を取り戻すことによって、近代科学技術文明を超克して新しく創出すべき文明の具体的な存立構造を解明することが可能となる。本書では、それを、宗教的共同体・倫理的共同体・政治経済法的共同体として具体的な形で示している。それは、生活の全領域で生ずる諸問題に取り組んでいる諸個人の実践・運動が、そこへ向かって統合されてゆくべき全人類的な究極的・統一的理念像である。

 なお、本書では、創造的生命の形而上学の対象である全実在界を、四つの次元からなる四次元統合態として、その具体的な存在構造を解明している。四つの次元とは、次のようなものである。?第一の次元――絶対無の実在界。ここでは、究極的実在である絶対無と人間を,同一の創造的エネルギー・生命が貫流し、両者を一つに結びつけ調和を実現する。?第二の次元――対自的絶対無の実在界。ここでは、対自的絶対無と人間を同一の創造的エネルギー・生命が貫流し、両者を一つに結びつけ調和を実現する。?第三の次元――相対的絶対無の実在界。?第四の次元――普遍的本質の実在界。この二つの次元に於いては、自然生態環境と人間と社会文化環境を同一の創造的エネルギー・生命が貫流し、三者を一つに結びつけ調和を実現する。

 同一の創造的エネルギー・生命が貫流・遍満する全実在界は、それぞれに調和を実現した四つの次元が、相互に調和する――という構造を有している。そして、全実在界に於いては、それぞれが全実在界大の規模を持つすべての個物・個人が、同一の創造的エネルギー・生命によって一つに結びつけられ相互に調和する。自己を他のすべての個物・個人と自覚的に一体化させた個人――それが本来的自己である。

 形而上学は、一人ひとりの個人の現実的生にとって、決して外在的な知識ではないし、学習の対象としての学説でもない。形而上学は、一人ひとりの個人が、それををわがものとして獲得することによって、全実在界大の実在・実存体験を主体的に遂行し、本来的自己を実現することを助けるものなのである。 

目次

           目次中の■のついた項目は、語彙の解説<注記>を示す。

はじめに――本書の課題

序章 <物質文明>から<創造的生命文明>へ

第1節 近代科学技術文明と現代の危機

 危機の実相の自覚の欠如

 近代的人間の自然と社会に対する自由

 根源態に於ける根源的自由

 根源的基盤と遊離した人間の放恣な自由

 究極的目的を喪失した人間の自己絶対化

第2節 科学的宇宙観と人間の生の無目的化

 目的論的宇宙観から機械論的宇宙観へ

   ■……形相‐質料と第一動者

 現代物理学の新しい宇宙像

 人間の自由を基礎づける科学的宇宙像

 人間の生活・生存の意味と価値の喪失

第3節 科学的宇宙観から哲学・形而上学的宇宙観へ

 時間・空間的存在を対象とする科学の本質的限界

 現代自然科学の宇宙論の限界

 科学的宇宙観の実在的・形而上学的宇宙観への転換

   ■……実在的宇宙/プシュケー・気   

 全自然史的過程における物質進化

 マクロ・コスモスの進化と地球の誕生

 開放システムである生命の誕生

 地球生態系と人間の物質代謝

 内面に創造的エネルギー・生命を宿す物質

   ■……物質の組織化と人間の意識

 実在の学としての新しい形而上学の形成

 派生態に於ける内面なき外面としての物質

第4節 物質文明としての近代科学技術文明の限界

 産業革命と近代科学技術文明の成立

 根源態と派生態に於ける生活のあり方の違い

 広義の物質的存在と広義の物質的文明

 根源態に於ける科学技術文明の本質的限界

 近代科学技術文明がもたらした対立・相剋

第5節 自然生態環境・社会文化環境と一体的な生の究極的根拠

 外面的意識から内面的意識への転換

   ■……物質と意識

 <絶対体有>をも越えた<絶対無>に定位

   ■……絶対有と絶対無

 人間の自由の究極的成立根拠

第6節 無限の創造的エネルギー・生命が貫流する全実在界の存立構造

 第一の次元――絶対無の実在界

 究極的な実在に直接触れる宗教的経験

 創造的エネルギー・生命をとらえる叡知的直観

   ■……実在体験/絶対矛盾の自己同一

 第二の次元――対自的絶対無の実在界

 第三の次元――相対的絶対無の実在界

 第四の次元――普遍的本質の実在界

   ■……相対矛盾的自己同一

 四次元統合態としての世界と一体的な人間の生

 科学的人間観の実在的人間観への根本的転換

   ■……万物万人の共同体

 人間の生と全実在界の存在の意味と価値

第7節 創造的生命文明への転換と新しい生への転換

 外面をとらえる科学的な知の本質的限界

 自覚的行為的要素としての人間の位置と役割

 対立・相克と暫定的調和の自覚

 内面の創造的生命の危機

 人間の主体的決断による新しい生への移行

第1章 四次元統合態としての全現実の存立構造

第1節 絶対無の実在界――宗教的体験の普遍化・論理化――

 唯一の真実在である自由な実在

   ■……超越/包越

 有と無の絶対無盾の自己同一

   ■……絶対無の場所

 絶対否定 即 絶対肯定的である絶対無の場所

 互いに排除しあう相互否定的関係

 互いに求めあう相互肯定的関係

 唯一絶対・絶対的独自のまま内在的に結合

 実体的自己同一性をもたないAと非A

 根底の絶対無の場所の絶対矛盾の自己同一

 絶対無とその<似像>としての人間

 全体と個の絶対矛盾の自己同一的統一

 自覚的行為的要素である人間の自由

第2節 対自的絶対無の実在界――天台・華厳の縁起世界のとらえ返し―― 

 有限相対の実在界の原像・超越的根拠

   ■……絶対無の像=有限相対の実在界の原像

 全体的一と個的多の絶対矛盾の自己同一

 可能態の全体的一と現実態の個的多

 個と個の絶対矛盾の自己同一

   ■……個と個の絶対矛盾的自己同一

 万物万人の共同体の成立

第3節 相対的絶対無の実在界――アインシュタインの宇宙論のとらえ返し――

 時間と空間の根源である絶対現在

 全体的一を表現する無数のいま・ここの相互調和

   ■……全体的一を表現する個物の相互調和

 創造的エネルギー・生命の遍満している時・空

 いま・ここをを絶対的中心とする無数のいまと無数のここの統合

 無限大の円環を映す無数の円環

 創造的生命の一大共同体の形成

第4節 普遍的本質の実在界――ヘーゲル弁証法のとらえ返し―

 実体的自己同一性を有する動的な主体

 矛盾の成立と止揚の運動の法則である相対矛盾の自己同一

 時・空を相対矛盾の自己同一的に統一する相対現在

 普遍的一としての可能態と特殊的多としての現実態

   ■……普遍的一と特殊的多

 時・空の普遍的一を限定する特殊ないま・ここ

 連続的・段階的・過程的運動の進行

第5節 派生態の存立構造――近代の自然観・人間観・社会観のとらえ返し――

 絶対無の実在界の派生態

 対自的絶対無の実在界の派生態

 相対的絶対無の実在界の派生態

 普遍的本質の実在界の発生態

 派生態に於ける自然・人間・社会の対立・相剋の根拠の解明

第2章 終末論的危機の時代としての現代

第1節 近代科学技術文明の危機の実相と人間の責任――創造的生命の論理に無自覚な科学的な知――

   ■……物質の階層構造

 有限相対の実在界の外面と内面

 外面の広義の物質性の枠内で自己完結する科学技術文明

 科学的な知の限界と内面に於ける危機

 自然生態環境が自然生態環境へと自己転形

 外面とを内面の不可分的一体性

 外面の危機と内面の危機の一体化

 人間が創造的生命の論理を自覚し創造に参与

第2節 相対的絶対無の実在界に於ける対立・相剋――自然生態環境・社会文化環境の人間への従属――

 有限相対の自由と無限絶対の自由の対立・相剋

 創造的エネルギー・生命の自己組織化

 自己譲渡・取り戻しと相互媒介

 自然生態環境・社会文化環境を従とする人間の放恣な自由

 自然生態環境・人間・社会文化環境が媒介者を疎外

 対立・相剋を内蔵した暫定的調和

 一般意志を体現する一般集合態の形成

 個別意志からの一般意志の自立と支配

 創造的生命の論理が転倒したかたちで貫徹

第3節 普遍的本質の実在界に於ける対立・相剋――自然生態環境・社会文化環境の人間への従属――

 自然生態環境・人間・社会文化環境の協働と調和

 主としての人間に自然生態環境・社会文化環境が従属

 相対矛盾の自己同一という論理が転倒したかたちで貫徹

 対立・相剋を擬制的に解消した抑圧的同一性

 特殊集合態・普遍集合態の自律的な共同制御

 疎遠な力の支配下に置かれる特殊集合態と個人

第4節 有限相対の実在界の外面に於ける対立・相剋――国家への社会の従属――

 自然生態環境・社会文化環境を従属させた人間

 一般集合態と普遍集合態の統合態としての国家

   ■……古典的な政治思想

 国家と諸個人の調和的な関係

 広義の物質的生活と国家の共同・社会的事務

 国家と社会の分離・対立

 国家への社会の従属による対立・相剋と暫定的調和

   ■……国家による共同事務の吸収

第5節 有限相対的派生態に於ける対立・相剋――資本主義的市場経済システムと科学技術文明――

 近代科学による存在構造・運動構造の解明

 総合的な自然・人間・社会認識

 相互作用を媒介する労働過程と交換過程

 自由・平等なアトム的個人の共同体

 物質・エネルギー循環の自覚的制御

 他者を従属させた自己閉鎖的諸個人

 均衡あるかたちでの生産・分配の不可能化

 疎遠な媒介者である資本への諸個人の従属

 価値の増大を目的とする資本の自立的運動

 市場経済システムの価格メカニズム

 資本主義的市場経済システムの成立

 資本の運動に包摂された科学技術文明

第6節 無限絶対の実在界に於ける対立・相剋――フォイエルバッハの宗教批判のとらえ返し――

 根源態の存在構造とそれを基盤とする派生態

 人間と絶対有の自覚的一体化

 超越的絶対神に従属する人間

   ■……フォイエルバッハの宗教批判

 人間を主とし超越的絶対神を従とする支配−従属関係 

 人間と自然生態環境・社会文化環境の支配−従属関係

 絶対者と人間の水平的な支配−従属関係

   ■……人間と絶対者の水平的な関係

 全実在界の調和の相と対立・相克の相を同時に見る 

 思考の根本的変革による近代の根底的転換

第7節 虚無の主体的体験の実在の主体的体験への転換――ニーチェのニヒリズムのとらえ返し――

   ■……「神は死んだ」

 人間の生の意味と価値の転倒

 超越的絶対神と自己絶対化した人間の虚無化

 対立・相剋の暫定的調和のうちへの解消を拒否

 絶対無と人間の統一の疎外形態の否定・虚無化

 虚無の主体的体験の、実在の主体的体験への転換

第3章 近代の根本転換と新しい文明・現実秩序の創出

第1節 新しい形而上学の構築と創造的生命文明の創出――古代の精神革命への遡源と現代の思想革命――

 古代思想の合理主義を超える神秘主義

   ■……精神革命

 創造的生命の自覚化としての知への転換

 現代の思想革命とフッサールの現象学

 客観的世界から根源的な生世界への還帰

 人間の生と思考の同時一体的な根本的変革

 思想革命と諸個人の思考と生の変革

第2節 無限絶対の実在界に於ける宗教的共同体の形成――宗教思想の現代化――

 内在的人間中心主義・超越的人間中心主義の克服 

 人間の自覚的行為による絶対無との一体化

 絶対無の<似像>としての人間の究極的な自由

 各次元に於ける価値・目的の実現

 唯一絶対・絶対的独自の個人どうしの相互調和

 万物万人一体の宗教的共同体の成立

   ■……宗教的共同体

第3節 有限相対の実在界に於ける倫理的共同体の形成――カントの目的の王国・ヘーゲルの人倫の体系の現代化――

 一般的な倫理規範の形成と一般的な倫理的価値の実現

 倫理的共同体の成立と人倫の一体化

 特殊的な倫理規範と普遍的な倫理規範の形成

 倫理規範による媒介・規制と倫理的価値の実現

 カントの目的の国と倫理的共同体

 現代における倫理のより広い枠組み

   ■……倫理の枠組みの拡大

 万物万人一体の広義の倫理的共同体の成立

 人倫の枠を超える「万物一体の仁」

第4節 有限相対の実在界に於ける政治経済法的共同体の形成――自由・平等・博愛という政治的理念の現代化――

 根源態の外面を固有の対象領域とする現代科学

 外面総体の存在の論理的存在構造

 自然的公共財・社会的公共財の保全・形成・維持

   ■……還境経済学

 万物万人一体の広義の経済的共同体

 国家という政治的集合態の形成

   ■……自律的規制としての法による規制

 広義の政治的正義の実現、広義の法的共同体の成立

 自然的個物・人間的個人・文化的個物の独立・対等・協働

第5節 有限相対的派生態に於ける政治経済法的共同体の形成――マルクスの自由人の連合の現代化――

 自由・平等なアトム的個人の機械的結合

 多様な労働能力の均衡あるかたちでの配分

 自由・平等な交換主体の協働

 等価交換を実現する価値法則

   ■……価値法則の自覚的適用

 経済的共同体・政治的共同体・法的共同体の成立 

 派生態に於ける広義の政治経済法的共同体と根源態との統合

 

 ■模式図 目次

 全現実の存立構造

 図1  自然−人間−社会とその構造

 図2  有限相対の存在界と無限絶対の存在界

 図3  創造的エネルギーと物質的エネルギー

 図4  近代科学技術文明の総体構造

 図5  超物質的エネルギー・生命と広義の物質的存在

 図6  全実在界に於ける創造的エネルギー・生命の流れ

 図7  有限相対の実在界と無限絶対の実在界の対立・相克、暫定的調和

 図8  全実在界に於ける人間の位置

 図9  絶対無の論理的存在構造

 図10  原像としての絶対無と似像としての人間

 図11  対自的絶対無と人間の水平的(弁証法的)関係 

 図12 対自的絶対無と人間に於ける全体的一と個的多

 図13 個物と個物の相互包含関係

 図14  相対的絶対無の論理的な存在構造

 図15  全体的一と個的多の絶対矛盾的自己同一

 図16  自然生態環境・人間・社会文化環境の相互調和

 図17 普遍的本質の実在界の存在構造

 図18  普遍的一と特殊的多の統一・調和、特殊と特殊の統一・調和

 図19 普遍的一と特殊的個の多の相対矛盾的自己同一

 図20 二次元統合態しての国家の存立構造

 図21 有限相対的人間とそれに対向する絶対有

 図22  人間の虚無と超越的絶対神の虚無

 図23 新しい現実秩序における共同体の存立構造

 

 あとがき

 人名索引

 


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